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アルトブログ

2025.10.22

【首こり解説 第三弾】パソコン姿勢と後頭下筋群の負担――ストレートネックのその先は「微後屈」と深部筋頭痛

皆様、こんにちは。
ガクンっと気温が下がり、首の痛みや動きの制限を感じる方が増えています。
首の症状に加えて、フワフワしためまい感(浮遊感)がふとした時に出現するというお悩みを持った方も多いです。
脳・血管・半規管なども疑うものの、やはりこれから説明する、首の深部の筋肉が悪いことでおきているケースもとても多いです。

「パソコン作業で後頭部が詰まったようにずっと重いく頭痛にも発展する」
ストレートネックがあると、画面を正面で見ている“つもり”でも、視線を水平に保つために頭はほんの少しだけ後屈します。
この“少し”をずっと支えているのが、後頭下筋群(上頭斜筋・大後頭直筋・小後頭直筋・下頭斜筋)。ここがロックしてくると、後頭部の詰まり、眼の奥のしんどさ、上を向きにくい。長く続くと自律神経失調やめまいに発展する——そんな症状につながります。




「長い筋」と「短い筋」の役割

からだの筋肉にはおおまかに二つの働きがあります。

長さの長い筋:大きく動かす主役。表層に多く、見た目の動きに関わる。

短い筋:関節の安定を保つ役。骨の際の深部に潜み、ミリ単位の微調整を担う。


後頭下筋群はまさに後者。頭と上位頚椎(後頭骨–C1–C2)をミリ単位で整える短い・深い筋です。ストレートネックで前弯が浅くなるほど、視線を合わせるための微小な後屈が増え、短い筋が常に縮んだまま固定されます。

不良な同姿勢が作る“深部のトリガーポイント”

同じ姿勢が続くと、深部の短い筋に血流低下→微小損傷→トリガーポイント化が起きやすくなります。
表層の長い筋(僧帽筋上部や板状筋など)だけが悪者に見えても、実は奥の短い筋が原因というケースがとても多いのです。

症状と関連痛の特徴

後頭骨の生え際の詰まり、上を向くと増悪。

眉間・こめかみ・眼窩の奥にじわっと広がる関連痛。

首を急に振り向く・上目づかいで作業する時にズーンと重い。

片側優位に出ることも多い。


なぜマッサージだけでは届きにくいのか

深部の短い筋は、骨の際で関節包に近い位置にあります。上からは表層の長い筋が覆いかぶさり、
強揉みをしても表層が反射的に硬くなるだけで、本丸に触れにくい。
届かないまま刺激が増えると、かえって表層が緊張し、症状が長引くこともあります。

鍼の出番――でも、当てどころが命

こうした深部の短い筋には、**骨をランドマークにして安全に“当てて止める”**鍼が有効です。
ただし前提があります。

体表解剖の把握:後頭骨下縁(下項線)、C1横突起、C2棘突起などの触診精度。

安全域の理解:血管・神経への過刺激を避ける角度と深さ。

狙っている筋が本当にそこかの再評価。


ここを曖昧にすると、施術者は「当たっているつもり」で進み、患者は良くならない。だからこそ、筋・筋膜・トリガーポイント専門の臨床経験が価値になります。


当院のアプローチ

後頭骨に鍼を当てて止める刺激。上頭斜筋・後頭直筋をピンポイントに狙い、鍼先がしっかり捉えると「ズーン」と眉間・こめかみ・眼窩の奥などに感じていた部分に響く関連痛が出現することで「そこが悪かったところです!」と患者様に感覚を感じていただきます。
連鎖する板状筋・半棘筋・僧帽筋上部にも鍼刺激。
そのまま10分?場合によっては20分寝てお待ちいただきます。その間に感じていた「ズーン」が弱まってきますのでこれが正常化(脱感作)のサイン
こうなれば鍼をお外ししてマッサージ。
上頭斜筋は(人によっては大後頭直筋も)触り分けてマッサージしていく事が出来るので、ここでも心地よい響きを感じていただき、ほっと一息。

体を起こして「うなずき可動(C0–C1)」と視線のラクさをその場で再評価。

姿勢を変えて胸鎖乳突筋や斜角筋をもみほぐしたり、再び鍼を打って整えて

日常生活指導です。人によってお伝えすることも変化はしますが、共通してお伝えしたいのは

「症状の強い時期は枕を無理に変えない。」バスタオルを入れて高さ調整程度にして過ごし、施術やセルフケアでからだが整ってから理想枕へ。


日常の注意点

モニターは目線より少し下(5〜10°)。高すぎると微小後屈が増えます。

15〜20分ごとに小さく“うなずき”——顎を2〜3mmだけ引く程度でOK。

強い指圧や硬球で生え際を押し込みすぎない(反射で余計に硬くなる)。




まとめ

“少しの後屈”を支えるのは、骨の際に潜む短い深部筋。
不良な同姿勢が続くと、トリガーポイントは深部にできやすく、マッサージでは十分に刺激しきれません。
安全な体表解剖に基づく鍼でこそ、狙った筋へ確実にアプローチできます。