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アルトブログ

2025.11.07

【腰痛の原因となる筋肉 1】〜 腰方形筋(ようほうけいきん)

皆さま、こんにちは。
武蔵小杉「トリガーポイントのはり・きゅう・マッサージ治療院 alto」院長の加藤です。

今回からは、ご相談の多い腰痛シリーズ。毎回ひとつずつ「原因となりやすい筋肉」を取り上げ、トリガーポイント専門ならではの視点で解説していきます。

第1回:腰方形筋

教科書をなぞるだけの理解だと、思ったほど良くならない——。そんな奥行きのある筋肉が腰方形筋です。
一つの塊ではなく、走行の異なる薄い層が重なり合うような構造。単に「体幹を側屈させる筋肉」とだけ捉えて施術すると、手応えが出にくい場面が出てきます。
しかもぎっくり腰の原因になることも少なくありません。適切な触診ができないと、軽快までに時間がかかる印象です。ここを丁寧に見ていきましょう。



こんな人はこの筋肉が悪いかも

・立ちっぱなし・座りっぱなしで、片側の腰だけがズーンと重い/痛い

・体を横にひねる・横に倒すと痛む

・立ってうがいをする程度のわずかな後屈や、お尻を締める瞬間に痛む

・長く座ったあと、骨盤を立て直す瞬間に痛む

・咳・くしゃみ・片手荷物で同側の腰がキュッと痛む

・ベッドから起き上がる最初のひと動作がつらい

・長距離ドライブの終盤、片側の腰が板のように硬い

※側屈を伴う回旋や骨盤の軽度な前傾がかかる瞬間などが痛みのタイミングになる事が多い筋肉!





筋肉の特徴

腰椎と第12肋骨・骨盤をつなぐ「腰の支柱」。片側収縮で側屈**、両側で脊柱伸展+第12肋骨の固定(スタート姿勢により軽い屈曲方向に働くことも)。

胸腰筋膜や腹横筋筋膜と連結し、腸腰筋・中小殿筋とも機能連関。

殿筋や腹圧が弱いと代償的に過緊張しやすい。




収縮時の動作と活動する場面

立位で片手荷物:傾こうとする体幹を水平に保つ

長時間座位:骨盤のわずかな傾きの固定を続けて疲労

咳・呼吸:第12肋骨の固定役として発火。痛めると「呼吸が浅い」と感じることも



起始・停止(触診の目安)

起始:腸骨稜内唇、腸腰靭帯

停止:第12肋骨下面、L1–L4(±L5)横突起

触診のコツ:腸骨稜上縁の弧の中央よりやや後方に広く付着。側臥位で、第12肋骨下縁・骨盤上縁・体幹側面が作るスペースを、後上方→前下方へ横切るように外縁をとらえる。
外縁の前縁側に十分な加圧をかけ、後方へめくるように触れると状態が把握しやすい。※腹腔臓器側への強圧は禁忌。




関連痛領域(トリガーポイント)

同側の腰背部〜腸骨稜上縁の帯状痛

殿部後上方や側腹部への放散

仙骨・上前腸骨棘にピンポイント圧迫感が出ることも




実際の施術(専門的アプローチ)

基本方針:トリガーポイントは、起始・停止や筋間の縁に生じやすい。よって起始・停止・外縁を的確に狙う。

鍼:面積が広いため、複数線維に届く角度を選択。
腸骨稜上縁からやや内向きに刺入し、骨直前の「グミ感」を貫く感覚と患者の「響き」の一致部位へ面で展開。
さらに外縁から腸肋筋外縁・腰椎横突起方向へ。肋骨付近は触診で安全を確認できる場合のみ。

手技:外縁から腸肋筋外縁〜横突起へ線維方向に圧。外縁前方で十分に加圧→前縁からめくり上げると関連痛が誘発されやすく、境目・厚み・走行を体表から見極められる。
ぎっくり腰の防御収縮が強い時期は深追いせず、ローリング器などで皮膚滑走を回復し、表層の緊張をやさしく解く。

併用評価:中殿筋(股関節外転)・腹圧の低下、股関節深屈曲の回避がないかチェック。




セルフケア(痛みが強くなる前の軽い調整)

>痛みがはっきりある時期は、まず施術で土台を整えてから。無痛〜“微快”で短く・こまめに。


1. 背もたれタオルリセット(胸を1cm引き上げ)
椅子の背もたれ下端に細いタオルを縦に置き、もたれて胸を1cmだけ上へ。3〜5呼吸。


2. 脇腹つまみ・揺らし
脇腹をつまみ、上下・左右・斜めにゆっくり揺らす。動かしにくい方向をやさしく重点。骨盤際・肋骨際は奥の伸び(響き)を感じられる場合もあります。そのような感覚がある場合には重点的に!


3. 仰向けバナナ
仰向けで万歳。からだを左 or 右へバナナ状に側屈し、そのまま深呼吸×各5回ずつ。


4. 呼吸+みぞおち広げ
みぞおち(最下部肋骨の少し下)に手を添え、吐き切る→吸うに合わせて手を上方へそっと差し込む。5呼吸ごとに手を外側へ少しずつ移動。





次回予告

次回は腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)。

長時間座位や反り腰で前面が短縮

関連痛:鼠径部〜大腿前内側・腰深部